トラクターの役割

トラクターは田畑を耕す農機具です。

トラクターの農業用アタッチメント

ここで基本に戻って、なぜ耕すのかも考えてみましょう。

農家の方はどうして田畑を耕すのか、これについて深く考えたことのある人は いったいどれだけいるのでしょうか。 農業を営んでいる方ならいざ知らず、猟師や調理人、美容師さんだとたいていは 「そんなこと考えたことないです」と答えるでしょう。 一番の理由は農作物が根を張って育ちやすくなるよう、土を柔らかくすることです。 硬い地面では種を植えられませんし、地上に種を撒いたって良好な発育は望めず 秋に豊作となる可能性は限りなくゼロです。 大根やエダマメがスクスク育つように硬い地面の土をほぐしてやる、これは農業に おいてはわりと初歩的なことなのです。 クワを使って人力で行っていた時代もありますし、規模によっては今でもその方が 効率がよい場合さえありますが、本格的に農業に取り組んでいて広い面積の田畑を 管理するのならトラクターを使ったほうが楽です。 庭の一角に家庭菜園を造ろう、というレベルならばそのためにトラクターやコンバイン を購入しても割にはあいませんし、リサイクルショップで中古品を安く買っても 保管場所に困ってしまうのでマイナス面のほうが多きくなります。 収納用のガレージを増設する面積で家庭菜園を拡張したほうが有意義でしょうし、 ある程度の規模の農地がなければ宝の持ち腐れなのです。 なのでプロ向けの製品ではありますが、役割としてはクワとほぼ同じです。 また土を掘り起こす意味は柔らかくするだけではありません。 同時にそこに育っている雑草を除去してくれます。 100%ではありませんが地面を掘るので根っこが土から離脱したり、切り裂かれて それ以上成長することなく枯れるように仕向けることができるのです。 卓球台ほどの狭い範囲ならばしゃがんで一本ずつ抜いていってもそんなに疲れま せんが、サッカーや野球の試合が行えそうな広い面積だと手作業では大変です。 雑草が生えていたら肥料を与えても養分がそちらに流れてしまいますし、育てたい 農作物以外の植物が生えていると邪魔になってしまいます。 なので種蒔きをする前に雑草を処分する必要があり、そのために耕す意味もあります。 そして肥料を撒いて豊かな土壌する作業でもこれは大切な工程となります。 上からパラパラと肥料を撒いたり、枯れてしまった落ち葉が乗っかっているだけでは そんな簡単に優れた土壌には変質してくれません。 そのままでは地表部分にしかその効果は顕れませんので、地中にも肥料などを送り こんでやらなければおいしい大根は収穫できないのです。 土を掘り起こして肥料を混ぜる、土に溶け込ませてやるためにも畑を耕してやる 必要性があるわけで、そうすることで微生物なんかも活発に活動してくれるのです。 では耕すペースですが、年に何回が適切なのでしょうか。 多ければそれだけいい、というものでもなく、考え方によっては少ないほうがいい とも言えますのでこれが最適だ、という答えを出すことはできません。 年に1回だとその直後以外は雑草が生えまくりですが、安定して微生物や昆虫など がそこで活動してくれるようになります。 ハイペースで耕される土地には雑草も少なく見た目も美しくなりそうですが、頻繁に 地面が掘り起こされるので昆虫が住み着かなくなってしまいます。 雑草はともかく微生物や昆虫は土地を豊かにしてくれるものなので、多少はいて くれたほうが良いといわれていますが、2~3ヶ月ごとにシャッフルされる土地 ではミミズさんも逃げ出してしまい定住しようとはしないでしょう。 なのであまり頻繁に耕し過ぎるのはよくなく、また回数が多いからといって少ない 田畑よりもたくさんのダイコンが採れるわけでもありません。 肥料を撒いたときなど土壌を形成するタイミングと、収穫後や収穫前にだけ耕せば 充分かと思われますので参考にして下さい。